30年近く暮らしてきた住まいの取り壊しが決まり、4カ月以内に転居する必要があった84歳の女性からご相談をいただきました。
ご自身で不動産会社を5社ほど訪ねたものの、紹介された物件は0件。「もうどうすればよいかわからず、言葉もない」と話されるほど、住まい探しに行き詰まっていました。
84歳という年齢、生活保護を受給されていること、親族がおらず緊急連絡先をお願いできるのが70代の知人のみという状況の中、実際に相談できる物件を一つずつ確認。最終的には、管理会社と見守りサービスの利用について調整し、約2カ月で新しい住まいの契約へ進んだ事例です。
今回のご相談
年代: 84歳女性
世帯: 単身
収入状況: 生活保護
ご相談者: ご本人
ご相談のきっかけ: 知人から住宅課を紹介され、住宅課からシニアライフパートナーへ
住み替え理由: 約30年暮らした住まいの取り壊し
転居までの期間: 4カ月
希望エリア: 当初は井の頭線沿線を希望。難しい場合でも杉並区内を希望
住まい探しでの課題: 年齢、生活保護、親族の緊急連絡先がいないこと
結果: 見守りサービスの利用を条件として入居可能となった賃貸住宅を契約
5社ほど訪ねても、紹介された物件は0件
ご本人は現在の井の頭線沿線に30年近く暮らしていましたが、建物の取り壊しが決まり、4カ月後までに新しい住まいを探さなければならなくなりました。
当初は、長く暮らしてきた井の頭線沿線で住み替えることを希望されていました。
しかし、シニアライフパートナーへ相談に来られるまでに、ご本人は5社ほどの不動産会社を飛び込みで訪問。それでも、相談できる物件を1件も紹介してもらえなかったとのことでした。
そのため、最初にお会いしたときにはかなり憔悴されており、
「もうどうすれば家が見るかるのかわからない」
と話されていました。
希望する場所や間取りを比較する以前に、まず「84歳の自分が相談できる賃貸住宅があるのか」というところから始めなければならない住まい探しでした。

「杉並区内」は残して、まず相談できる物件を探す
ご本人には井の頭線沿線で暮らし続けたいという希望がありました。
一方、すでに複数の不動産会社を回っても候補が見つからず、転居まで4カ月という期限もあります。
そこで今回は、井の頭線沿線だけには限定せず、杉並区内であれば場所を広げて探すことにしました。
他の市区町村への移管も可能ではありましたが、ご本人にとって「杉並区内で暮らし続けたい」という希望は残したい条件でした。
物件を探す際も、広さや築年数、生活環境などから候補を絞るのではなく、まず「生活保護受給中でも相談できること」「84歳という年齢でも相談できること」を優先。一つずつ物件を確認していきました。
年齢と生活保護に加えて「緊急連絡先」も課題に
今回、もう一つ難しかったのが緊急連絡先です。
ご本人には親族がおらず、緊急連絡先としてお願いできるのは70代の知人でした。
高齢者の賃貸契約では、保証会社などから緊急連絡先について確認されることがあります。今回の住まい探しでも、候補となり得る物件が3件ほどあったものの、親族の緊急連絡先が必須だったため、進めることができませんでした。
シニアライフパートナーの公式サイトでは、高齢者の賃貸契約における緊急連絡先の役割についても詳しくご紹介しています。
条件を確認していく中で、実際に今回の状況で相談を進められた物件は1件でした。
ようやく見つかった1件。見守りサービスを含めて管理会社へ相談
見つかった物件は築年数こそ経過していましたが、定期借家契約ではありませんでした。候補がほとんどない状況だったこともあり、ご本人も前向きに審査を進めることになりました。また、住み慣れた井の頭線の駅徒歩3分という好立地も決め手でした。
本人確認の電話に備え、担当者からは、ご自身が現在、心身ともに健康であることについてきちんと説明するようお伝えしました。
それでも、管理会社には高齢での単身入居について懸念がありました。
そこでシニアライフパートナーから、管理会社側または当社の斡旋でもよいので、見守りサービスを付帯することで入居を検討してもらえないか相談しました。

確認を進めると、その管理会社には「クロネコ見守りサービス」を利用した高齢者の受け入れ実績がありました。
そこで、見守りサービスの利用を必須とする形で改めて契約をお願いし、最終的に話がまとまりました。
高齢者の賃貸住宅では、見守りサービスなどを組み合わせることで、貸主や管理会社が抱えている不安への対応策になる場合があります。公式サイトの高齢者入居と見守りなどのサポートについての記事でも、こうした仕組みをご紹介しています。
「自分が住める物件は無いと思っていた」
今回の住まい探しにかかった期間は約2カ月でした。
最初に希望されていた井の頭線沿線というエリアには限定できませんでしたが、「杉並区内で暮らしたい」という希望を残したまま、住まいを決めることができました。
一方、当初にはなかった見守りサービスの利用が契約条件となり、その費用はご本人の実費負担となりました。
それでも、相談できる物件そのものがほとんど見つからなかった状況から、新しい住まいの契約まで進めたことに、ご本人は安心された様子でした。

契約が決まった際にいただいた、
「本当、自分が住める物件は無いと思っていたので良かった。大事にお部屋を使います。」
という言葉が印象に残っています。
担当者より
今回の住まい探しで改めて感じたのは、年齢、生活保護、そして親族の緊急連絡先がいないという条件が重なったときの難しさです。
最初から希望条件を細かく設定して探したわけではありません。築年数や広さなどよりも、まず「相談できるか」を一件ずつ確認しました。それでも、実際に話を進められる物件は限られていました。
一方で、今回の物件では、管理会社に高齢者の受け入れ実績があり、見守りサービスを利用するという具体的な方法について相談できたことで契約につながりました。
見守りサービスを利用すれば、すべての高齢者が賃貸住宅を借りられるということではありません。物件や管理会社、保証会社などによって判断や条件は異なります。
だからこそ、ご本人の状況を確認しながら、「何が難しいのか」「どのような方法なら相談できる可能性があるのか」を一つずつ整理することの大切さを感じた事例でした。
同じようなお悩みをお持ちの方へ
80代での住まい探し、生活保護を受給しながらの住み替え、親族に緊急連絡先をお願いできない場合など、条件が重なることで相談できる賃貸住宅が限られることがあります。
実際にシニアライフパートナーでは、70代後半で生活保護を受給されている方の住まい探しもご紹介しています。今回とは条件が異なりますが、生活保護を受給しながら賃貸住宅を探した別の相談事例も参考にしていただけます。
何社か相談して物件を紹介してもらえなかった場合でも、それだけで「借りられる物件はない」と決まったわけではありません。
シニアライフパートナーでは、高齢者ご本人の年齢や収入状況、緊急連絡先、希望する地域などを確認しながら、相談可能な物件を探しています。住み替えの期限が決まっている場合は、できるだけ早い段階からご相談ください。
