きっかけは、現在の住まいの契約更新に伴う家賃1万円の増額です。
今後、仕事を続けられなくなったときのことも考え、家賃を抑えながら、杉並区内に住む息子様の近くへ引っ越したいというご希望でした。
今回は、一度は希望に合う物件の審査まで進みながら「定期借家契約」という契約形態を理由に申込みを辞退。その後、条件を少しだけ見直し、ご本人も息子様も納得できる普通借家契約の住まいを見つけた事例をご紹介します。
今回のご相談
年代:60代女性
世帯:単身
収入状況:年金+就労収入
ご相談者:ご本人
ご相談のきっかけ:杉並区住宅課からの紹介
住み替え理由:現在の住まいの契約更新に伴う家賃1万円の増額
希望エリア:息子様の住まいを中心に前後2駅程度
主な希望条件:家賃6万円前後、1R以上、エリアを優先
結果:息子様の住まいの隣駅にある、普通借家契約・約9帖の1Rへ
「仕事ができなくなったときのことも考えて、家賃を抑えたい」
今回の住み替えを考えるきっかけになったのは、現在の住まいの契約更新でした。
管理会社から届いた更新の案内には、現在より家賃を1万円増額する内容が記載されていました。
10年近く住んでいた中で一度も家賃増額は無かっため、ついに来たかという感じだったようです。
そこでご本人が考えたのが、これから先の暮らしです。
現在は年金に加えて就労収入がありますが、
「仕事が出来なくなった時の事も考えて家賃は抑えたい」
というご希望がありました。
また、せっかく住み替えるのであれば、杉並区内に住む息子様の近くへ移りたいという考えもありました。息子様も連帯保証人になることを了承されており、住まい探しには協力的でした。
一方、現在の管理会社へ契約を更新するかどうか回答するまで約2か月。限られた期間の中で、「予算内」と「息子様の近く」という二つの希望をできるだけ両立させる必要がありました。

5駅・徒歩10分圏内で探すと、候補は次第に限られた
当初の希望エリアは、息子様の住まいを中心とした井の頭線の5駅程度。さらに駅から徒歩10分圏内、家賃は6万円前後、間取りは1R以上という条件で探し始めました。
エリアがはっきりしていたため、シニアライフパートナーでは予算内で候補となる物件を確認していきました。
条件上は高齢者ご相談可能な候補となる物件が10件ほどありましたが、実際には広さや築年数、駅からの距離などを一つずつ確認していくと、ご本人が検討できる物件は限られていきました。
今回の住まい探しでは、単純に「高齢だから借りられる物件がない」という状況ではありませんでした。
むしろ大切だったのは、限られた予算とエリアの中で、今後も納得して暮らせる住まいをどう選ぶかという点でした。
審査通過後、「定期借家契約」を理由に申込みを辞退
その中で、一度は条件に合う物件が見つかりました。
管理会社は高齢者の入居についても協力的で、管理会社自身が貸主だったこともあり、入居審査はスムーズに通過しました。
しかし、審査承認後にご本人と息子様が気になったのが、その物件が「定期借家契約」だったことです。
管理会社へは事前に建物の取り壊しを前提として再契約できない契約ではなく、家賃滞納や共同生活上のトラブルなどがなければ再契約可能という点は確認しており、建物も1996年築と古くはなく、現時点で取り壊しを考えるような年数ではありませんでした。
審査も通過しご契約が近づき、ご本人と息子様は、再契約時の家賃条件が変わる可能性や、将来さらに年齢を重ねたときに再契約できないのではと考えたようです。
シニアライフパートナーからも確認できた契約内容をお伝えしましたが、最終的に判断するのはご本人です。
普通借家契約でも、今の住まいのように契約更新時に賃料増額の打診があり、相続のタイミングや老朽化に伴う建替えによる立ち退きの可能性はございます。
ただ、ご心配されている部分(家賃条件変更や再契約の断りなど)を完全に払しょくするようなことは契約内容的に当社もお伝え出来ないので、審査まで通過していた物件ではありましたが、気持ちよく新居を決定いただきたいので、ご本人と息子様には申込みを辞退していただき、改めて住まいを探すことになりました。

エリアは変えず、「徒歩10分」を少しだけ広げる
最初の物件を辞退したあとも、「息子様の近く」という最も大切な条件は変更しませんでした。
一方で、物件の選択肢を少し広げるため、駅から徒歩10分程度としていた条件を、12分程度まで広げることにしました。
大きく条件を変えたわけではありません。
家賃を大幅に上げたり、希望するエリアそのものを変えたりするのではなく、ご本人が許容できる範囲で一つの条件だけを調整しました。
その結果、新たに普通借家契約の物件が候補に入りました。
息子様の住まいの隣駅で、約9帖の1Rへ
最終的に決まったのは、息子様が暮らす場所の隣駅にある、普通借家契約の1Rです。
居室は9帖近くあり、仕切りのない開放的な室内もご本人が気に入ったポイントでした。
当初の希望から変更したのは、駅からの徒歩分数だけです。
「息子様の近く」という最も大切にしていた条件を残しながら、ご本人が気にしていた契約形態についても普通借家契約の物件を選ぶことができました。
住まい探しを始めてから決定までは、1か月あまりでした。
ご本人と息子様の双方が契約内容を確認し、納得したうえで契約へ進みました。
ご本人からは、
「普通借家契約でもいずれ取り壊しとなった際には退去しなくてはいけないが、納得して決めれました。」
という言葉がありました。

担当者より
今回の住まい探しで特に印象に残ったのは、物件の条件だけではなく、「どのような契約で借りるのか」について、ご本人と息子様が慎重に考えられていたことです。
一度目の物件は審査も通過しており、管理会社にも定期借家契約の意味合いを確認していました。
それでも、これから年齢を重ねていくことを考えたとき、ご本人が不安を残したまま契約する必要はありません。
結果として今回は、駅からの徒歩分数を少し広げることで、普通借家契約という希望にも合う物件を見つけることができました。
今回のご相談を通じて、私たちも改めて、物件の設備や家賃だけではなく、契約上のメリット・デメリットや将来的に考えられることまで、できるだけ分かりやすくお伝えすることの大切さを感じました。
同じようなお悩みをお持ちの方へ
高齢になってからの住み替えでは、「今借りられるか」だけでなく、「この先も無理なく家賃を支払えるか」「家族の近くで暮らしたい」「できるだけ長く暮らせる住まいを選びたい」など、将来を考えた条件が大切になることがあります。
すべての希望を変えるのではなく、今回のように「駅からの徒歩分数を少し広げる」など、優先順位の低い条件を少し調整することで、選択肢が増える場合もあります。
シニアライフパートナーでは、高齢者の賃貸住宅探しについて、ご本人やご家族の希望を確認しながら、物件探しから申込み・契約まで一緒に進めています。
「今の家賃を払い続けるのが心配」「元気なうちに家族の近くへ住み替えたい」といった段階からでも、ご相談ください。
