現在の住まいから立ち退くことになり、3カ月以内に新しい住まいを探す必要があった60代の男性からご相談をいただきました。
すでに3社の不動産会社を回っていましたが、相談や内覧まで進められる物件がなく、どこへ相談すればよいのか分からない状況だったといいます。
さらに、今回の住まい探しでは「今の住まいから20分圏内」という譲れない希望がありました。物件がなかなか出ない期間もありましたが、条件を変えるのではなく、新着物件を確認しながら一緒に住まい探しを続けた事例です。
今回のご相談
・年代:60代・男性
・世帯:単身
・収入状況:年金+貯蓄
・ご相談者:ご本人
・ご相談のきっかけ:杉並区住宅課からのご紹介
・住み替え理由:現在の住まいの立ち退き
・転居期限:お問い合わせから3カ月以内
・希望エリア:現在の住まいから20分圏内
・主な希望条件:家賃6万円前後、1R以上、広さは問わず
・住まい探しの期間:約2カ月
・結果:現在の住まいから徒歩数分の賃貸住宅で契約
3社の不動産会社を回っても、住まい探しが進まない
ご相談者は、現在の住まいに10年近く暮らしていた60代の男性です。
立ち退きにより転居する必要があり、ご自身で新しい住まいを探し始めていました。
シニアライフパートナーへご相談いただく前には3社の不動産会社を回っていましたが、相談や内覧まで進められる物件がなく、住まい探しは思うように進んでいませんでした。
そのときに話されていたのが、
「どこも高齢者は住めないとろくに取り合ってくれない。」
という言葉です。
転居までの期限がある一方で、具体的な物件探しに進めず、どこを窓口に相談すればよいのか分からず困っていらっしゃいました。
そのような中、杉並区住宅課からシニアライフパートナーをご紹介いただいたことが、今回のご相談のきっかけでした。

一番譲れなかったのは「今の生活圏から離れないこと」
ご希望を伺うと、家賃は6万円前後、間取りは1R以上。部屋の広さには特にこだわりはありませんでした。
一方で、どうしても譲れなかったのがエリアです。
希望は「現在の住まいから20分圏内」。
現在の地域には10年近く暮らしており、すでに地域のコミュニティができていました。普段利用している銭湯があり、通院している医療機関も決まっています。
新しい部屋へ引っ越すことだけを考えれば、探すエリアを広げるという方法もあります。しかし、ご本人にとっては、これまで築いてきた生活をできるだけ変えずに暮らせることが重要でした。
そのため今回は、エリアを広げることを前提とせず、ご本人の希望する生活圏の中で住まいを探すことにしました。
エリアと予算を絞ると、紹介できる物件も限られる
希望するエリアが限定され、さらに家賃の上限を決めて探すと、候補となる賃貸物件はどうしても少なくなります。
加えて、今回の住まい探しでは、近隣に親族の緊急連絡先がいないことも難しい点のひとつでした。
ご兄弟はいらっしゃいましたが遠方にお住まいだったため、物件を確認していく中では、緊急連絡先などの条件から受け入れが難しいケースも相当数ありました。
高齢者の賃貸探しでは、希望する家賃や間取りだけでなく、こうした入居時の条件も一つずつ確認しながら進めていく必要があります。
物件が出ないまま、約1カ月が経過
シニアライフパートナーでは、ご本人がエリアを変えたくない理由を踏まえ、希望条件を維持したまま周辺エリアの新着物件を日々確認していきました。
しかし、エリアが限られていることもあり、条件に合う新着物件がなかなか出てきません。
約1カ月にわたり住まい探しが停滞する期間が続きました。
転居期限が決まっている中で物件が出てこないため、ご本人も不安な様子でした。それでも、今回の住み替えで最も大切にしていた生活圏については条件を変えず、引き続き新しい募集が出るのを確認していくことにしました。

見つかった物件は、普段から前を通っていた建物
住まい探しを始めてから約2カ月。
最終的に候補となったのは、現在の住まいから徒歩数分の場所にある賃貸住宅でした。
しかも、ご本人が普段の散策で何度も前を通っていた建物でした。
現在の生活圏をほとんど変える必要がなく、これまで利用してきた地域の施設や医療機関との関係もそのまま続けられる場所です。
ご本人にとって、日々の散策路沿いにあり、今までの生活を大きく変えずに暮らせることが、この物件を選ぶ大きな理由となりました。

管理会社へ面談を提案
物件が見つかった後にも、もう一つ確認しなければならないことがありました。
管理会社が入居について難色を示していたため、シニアライフパートナーから「一度ご本人と面談をしたうえで判断していただきたい」と打診しました。
当日はシニアライフパートナーの担当者も立ち会い、ご本人と一緒に管理会社へ伺いました。
ご本人は面談を前に緊張されていましたが、実際にお会いいただく機会を設けたことで、最終的に入居について承諾をいただき、契約へ進むことができました。
今回は、書面上の条件だけで終わらせず、管理会社に直接ご本人と会っていただく機会をつくったことが、住まい探しの大きな転機となりました。
希望条件を変えず、約2カ月で契約へ
今回の住まい探しでは、途中で希望エリアを広げることはありませんでした。
物件が出ない期間もありましたが、最終的に決まったのは現在の住まいから徒歩数分。ご本人が最も大切にしていた「今の生活圏を変えたくない」という希望を叶えられる住まいでした。
審査を経て契約まで進んだ際には、ご本人も安堵されており、
「自宅の近くという厳しい条件で探してくれてありがとう」
とお話しいただきました。
担当者より
住み替えでは、建物や部屋が変わるだけではなく、これまで続けてきた日常生活にも変化が生じます。
特に今回のご相談では、長く暮らしてきた地域でのつながりや、普段利用する施設、通院している医療機関など、現在の生活圏そのものがご本人にとって大切なものでした。
物件が出ない期間が続いたため簡単な住まい探しではありませんでしたが、最終的に普段の散策路沿いという、ご本人の生活を大きく変えずに済む場所で住まいが見つかりました。
契約が決まり、安心されたご様子を見られたことは、担当者としても印象に残っています。
同じようなお悩みをお持ちの方へ
高齢になってからの住み替えでは、「家賃」「間取り」「駅からの距離」だけが住まい選びの条件とは限りません。
通い慣れた病院やお店、地域とのつながりなど、「今までの暮らしをできるだけ変えたくない」という希望も大切な条件のひとつです。
一方で、希望するエリアが限られるほど物件が見つかるまで時間がかかることもあり、緊急連絡先などの条件によって住まい探しが難しくなる場合もあります。
シニアライフパートナーでは、条件だけで物件を探すのではなく、「なぜその条件を大切にしたいのか」も確認しながら、高齢者の住まい探しを一緒に進めています。
「何社か相談したけれど住まいが見つからない」「今の生活圏から離れずに住み替えたい」といった場合も、まずは現在の状況やご希望をお聞かせください。
