「一人暮らしを続けたいけれど、もし急に入院したらどうなるのだろう」

「身近に頼れる親族がいないので、賃貸住宅を借りた後のことが心配」

身寄りがない高齢者の住まい探しでは、部屋を見つけることだけでなく、入居後に起こり得る“もしものとき”をどう備えるかも大切なポイントです。

結論から言うと、身寄りがないからといって賃貸住宅で暮らせないわけではありません。ただし、緊急時の連絡先、入院時の対応、判断が難しくなったときの支援、亡くなった後の賃貸借契約や家財の扱いなどについて、元気なうちから整理しておくことが重要です。

「身寄りがない」と住まい探しで何が問題になりやすい?

高齢者の賃貸住宅探しでは、家賃や間取り、立地だけでなく、「何かあったときに誰へ連絡できるか」を確認されることがあります。

特に単身で暮らす場合、管理会社や大家さんにとっては、本人と連絡が取れなくなった場合や、急な入院などがあった場合の連絡先が分からないことが不安材料になり得ます。

ただし、「身寄りがない」という状況も一人ひとり異なります。

親族がまったくいない方もいれば、親族はいるものの遠方に住んでいる、関係が疎遠で頼みにくいという方もいます。そのため、最初から「頼れる家族がいないから無理」と考えるのではなく、現在頼れる人や利用している支援先を整理するところから始めることが大切です。

賃貸契約時の緊急連絡先については、「緊急連絡先の重要性」でも詳しく解説しています。緊急連絡先と連帯保証人は役割が異なるため、住まい探しを始める前に確認しておくと安心です。

「もしものとき」は入院だけではありません

将来に備える際は、単に「倒れたとき誰に電話するか」だけを考えればよいわけではありません。

例えば、急な入院、介護が必要になった場合、長期間自宅を空ける場合、本人だけでは契約や手続きを判断しにくくなった場合など、生活の状況が変わることがあります。

また、身寄りのない単身高齢者については、亡くなった後の賃貸借契約の解除や室内に残された家財の処理が課題になることがあります。

国土交通省と法務省では、単身高齢者が亡くなった際の賃貸借契約の解除や残置物処理を円滑にするためのモデル契約条項を公表しています。さらに、2025年10月からは、一定の手続きを経た居住支援法人が、入居者からの委託に基づく残置物処理を業務として行える仕組みも設けられています。

ただし、すべての居住支援法人がこうした業務を行っているわけではありません。実際に利用できる支援内容は、相談先ごとに確認する必要があります。

元気なうちに整理しておきたい5つのこと

「もしものとき」の備えは、一度にすべて決める必要はありません。まずは次のようなことを整理してみるとよいでしょう。

1つ目は、緊急時に連絡できる人や機関です。親族に限らず、現在関わっている支援者なども含め、誰とつながっているかを確認します。

2つ目は、通院先や服薬状況、介護サービスの利用状況など、生活に必要な情報です。

3つ目は、住まいに関する契約書類や保証会社の情報です。どこに保管しているかが分かるだけでも、緊急時の対応がしやすくなります。

4つ目は、今後も現在の住まいで生活を続けられそうかという点です。階段、浴室、トイレ、買い物や通院のしやすさも含めて確認します。

5つ目は、自分が将来どのような支援を希望するのかということです。すぐに契約などを行う必要がなくても、「誰に相談するか」だけでも決めておくと次の行動につながります。

単身高齢者の住まい探し全体で確認しておきたい項目については、「単身高齢者の住まい探しで不安を減らすためのチェックリスト」でも整理しています。

一人で全部決めようとしなくても大丈夫です

身寄りがない高齢者の場合、「全部自分で準備しなければならない」と感じることがあります。

しかし、内容によって相談先は異なります。

地域包括支援センターは、高齢者の総合相談や権利擁護、地域の支援体制づくりなどを行う市町村の相談拠点です。介護や生活面の不安がある場合は、まず相談先の一つになります。

一方、賃貸住宅への住み替えや、高齢者の部屋探し、保証会社や緊急連絡先など住まいに関する相談では、不動産会社や居住支援法人が選択肢になります。

シニアライフパートナーは、高齢者の賃貸住宅探しを中心に、物件探しから内見、申込み、契約、必要に応じた入居前後の相談まで一緒に整理しています。詳しい支援内容は、「シニアライフパートナーとは?」でご紹介しています。

「今すぐ困っていない時期」に考えておくことが大切

住まいに関する問題は、入院や退去などが迫ってから考え始めると、選べる時間が少なくなることがあります。

だからこそ、今すぐ引っ越す予定がなくても、「今の家で今後も暮らせそうか」「緊急時の連絡先はどうするか」「困ったとき誰に相談するか」といったことを、元気なうちに考えておく意味があります。

高齢者の住み替えは、部屋探しだけの問題ではありません。これからの生活をどう続けていくかまで含めて考えることで、自分に必要な支援が見えやすくなります。

まとめ

身寄りがない高齢者の「もしものとき」に備えるには、まず現在の人間関係や支援先、緊急連絡先、医療・介護情報、賃貸契約に関する書類などを整理することから始めます。

さらに、将来の入院や介護、亡くなった後の住まいの扱いなどについても、必要に応じて専門家や支援機関へ相談しておくことが大切です。

身寄りがないことだけで、賃貸住宅で暮らす可能性が決まるわけではありません。今の状況を整理し、必要な支援につながっておくことが、これからの住まいと暮らしを考える第一歩になります。

「頼れる親族がいないので、賃貸住宅を探せるか不安」

「一人暮らしを続けたいけれど、緊急時のことも考えておきたい」

そんな場合は、住まい探しを始める前の段階でもご相談いただけます。

シニアライフパートナーでは、高齢者の住まい探しについて、現在の生活状況や不安を伺いながら、物件探しから契約まで一緒に考えています。