「家賃はこのくらい、駅から10分以内、できれば1階で……」

通常の部屋探しでは、まず希望条件を決め、その条件に合う賃貸物件を比較していくのが一般的です。

ところが、高齢者の住まい探しでは、同じ順番で進めるとなかなか候補が見つからないことがあります。

最初にお伝えしたいのは、高齢者だから希望条件を持ってはいけない、ということではありません。

ただ実際には、希望条件から物件を選ぶ前に、まず「現在の状況で入居について相談できる物件はどれか」を確認し、その中から自分に合った住まいを選ぶほうが進めやすい場合があります。

高齢者の部屋探しでは「検索結果=候補物件」ではありません

賃貸サイトで検索すると、希望エリアに何十件もの物件が表示されることがあります。

そこで家賃、間取り、駅からの距離などを見ながら「この中から選べばいい」と思うかもしれません。

しかし、高齢者の賃貸住宅探しでは、その物件で入居について相談できるかを一つずつ確認する必要がある場合があります。

年齢だけで判断されるわけではなく、収入、保証会社、緊急連絡先、契約条件、物件ごとの管理方針など、確認される内容はいくつかあります。

そのため、インターネット上に表示されている物件数と、実際に検討できる物件数は同じとは限りません。

ここを最初に知っておくだけでも、「たくさん物件があるのに、なぜ紹介してもらえないのだろう」という戸惑いを減らせます。

まず「入居について相談できる物件」を探す

そこで高齢者の部屋探しでは、

「住みたい物件を選ぶ」

ではなく、

「入居について相談できる物件を探す」→「その中から暮らしに合う物件を選ぶ」

という順番になることがあります。

これは希望を諦めるという意味ではありません。

例えば3件の候補が見つかったら、そこから家賃、駅までの距離、買い物環境、階段、エレベーター、間取りなどを比較します。

最初から100点の物件だけを探すのではなく、「実際に相談できる候補」を確保してから、一つずつ暮らしやすさを確認していくイメージです。

単身で住まいを探す際に準備しておきたいことは、「単身高齢者の住まい探しで不安を減らすためのチェックリスト」でも整理しています。

選択肢が少ないときほど「優先順位」が大切です

候補が限られてくると、「どこまで条件を変えればいいの?」と悩む方もいらっしゃいます。

そこで、希望条件を「絶対に必要」「できれば欲しい」「変更しても生活に支障がない」の3段階に分けてみましょう。

例えば、足腰に不安があるので階段は避けたい。しかし駅徒歩10分以内は、バス停が近ければ15分まで広げられる。築年数にはこだわらないが、病院への通いやすさは優先したい。

このように考えると、「妥協する」のではなく、これからの暮らしに本当に必要な条件を残すことができます。

実際に「選ばなければ見つかる」と思っていたケースも

シニアライフパートナーへご相談いただいたご夫婦も、当初は築年数や駅からの距離にはそれほどこだわらず、「選ばなければ簡単に見つかる」と考えていらっしゃいました。

ところが、家賃や初期費用、希望エリアなどを合わせると候補は限られ、住まい探しは想像以上に難航しました。最終的には、ご家族にも協力いただきながら契約方法を整理し、入居につながっています。

実際の経緯は、「住まい探しのご相談事例①」でご紹介しています。

このようなケースからも、「条件を選ばなければ見つかる」とは限らないことが分かります。

物件以外の条件も早めに整理する

高齢者の住まい探しでは、物件の条件だけでなく、契約に必要な準備も選択肢に影響することがあります。

その一つが緊急連絡先です。

一人暮らしの場合などには、申込み時に緊急連絡先を確認されることがあります。誰にお願いできるのかを住まい探しと並行して考えておくと、候補が見つかったときに動きやすくなります。

緊急連絡先の役割や、頼める人がいない場合に考えられる選択肢については、「緊急連絡先の重要性」で詳しくご紹介しています。

「選べない」ではなく、探す順番を変えてみる

候補となる賃貸物件が少ないと、「自分はもう部屋を選べないのか」と感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、考え方は少し違います。

まず入居について相談できる物件を探し、その中から「これからの生活に合うか」を比較する。

そして候補が少なければ、家賃、エリア、設備などの条件を一つずつ整理し直す。

高齢者の住まい探しでは、この順番で進めることが現実的な選択肢を見つける近道になる場合があります。

まとめ

高齢者の部屋探しでは、最初から希望する賃貸物件を自由に選び、その後に入居できるか確認するという流れだけでは、なかなか進まないことがあります。

まず現在の状況で入居について相談できる物件を探し、その候補の中から家賃、エリア、設備、生活環境などを比較する。

「選ぶ前に、まず候補を見つける」ことが、高齢者の住まい探しでは大切になることがあります。

希望をなくす必要はありません。優先順位を整理しながら、これから安心して暮らせる住まいを探していきましょう。

「どの物件なら相談できるのか分からない」ときは

「検索しても、高齢者が入居できる物件なのか分からない」

「問い合わせを繰り返すのに疲れてしまった」

「高齢の親に合う物件をどう探せばよいか分からない」

そんなときは、希望条件を決めるだけでなく、現在の状況でどのような物件が候補になるのかを整理するところから始めてみる方法があります。

シニアライフパートナーでは、東京都を中心に、高齢者ご本人、ご家族、支援者の方から状況を伺い、住まい探しから契約、必要に応じた入居前後の支援まで行っています。

まだ具体的な物件が決まっていない段階でも、これからの住まいについて気になることがあればご相談ください。