「家賃も高くないし、駅から少し離れていても大丈夫。条件を選ばなければ部屋は見つかるだろう」

高齢になってから賃貸住宅を探し始める方の中には、そう考えている方も少なくありません。

ところが実際に住まい探しを始めてみると、「紹介してもらえる物件そのものが思っていたより少ない」と戸惑うことがあります。

最初にお伝えしたいのは、高齢者の部屋探しでは、一般的な賃貸探しと同じように、たくさんの物件の中から自由に選べるとは限らないということです。

だからといって「高齢者は賃貸を借りられない」という意味ではありません。

大切なのは、最初から現実的な選択肢を知り、希望条件に優先順位をつけながら住まい探しを進めることです。

なぜ紹介できる賃貸物件が少なくなりやすいのか

高齢者の住まい探しでは、家賃や間取り、駅からの距離だけではなく、入居者の年齢、収入、保証会社、緊急連絡先、管理体制なども確認されることがあります。

さらに、大家さんや管理会社によって、高齢者の入居に対する考え方や受け入れ条件は異なります。

そのため、インターネット上では数十件の募集物件が見つかっていても、実際に一つずつ確認すると「今回の条件では相談が難しい」となることがあります。

ここが、高齢者の賃貸探しで最初につまずきやすいポイントです。

単純に「物件が少ない」のではなく、募集されている物件の中から、現在の状況で相談できる物件へ絞っていくと候補が少なくなると考えたほうが実態に近いでしょう。

「条件を選ばなければ見つかる」とも限りません

実際のご相談では、「築年数にはこだわらない」「駅から遠くても構わない」「多少狭くても大丈夫」と条件を広げてくださる方もいらっしゃいます。

それでも、希望する地域や家賃によっては住まい探しに時間がかかることがあります。

シニアライフパートナーの実際の相談事例でも、ご自宅の売却後に賃貸住宅を探されたご夫婦が、「選ばなければ簡単に見つかると思っていたものの、想像以上に難航した」と振り返っています。最終的には契約方法などを整理しながら住まいが決まりました。

住まい探しがどのように進んだのかは、実際の「住まい探しのご相談事例①」でもご紹介しています。

だからこそ「何を優先するか」が大切です

候補となる賃貸物件が限られる場合、すべての希望条件を同じ優先順位にすると、なかなか次へ進めないことがあります。

まずは、「絶対に必要な条件」と「できれば叶えたい条件」を分けてみましょう。

例えば、通院先へのアクセスは変えられないけれど駅徒歩は広げられる、1階を希望しているけれどエレベーターがあれば上階でもよい、築年数よりも家賃を優先する、といった整理です。

家賃、エリア、間取り、階段、エレベーター、買い物環境などを一つずつ整理していくと、「この条件なら広げられる」という部分が見えてきます。

単身で住まいを探す場合に準備しておきたい項目については、「単身高齢者の住まい探しで不安を減らすためのチェックリスト」でも詳しく整理しています。

緊急連絡先など、物件以外の準備も選択肢に関わります

高齢者の賃貸住宅探しでは、部屋そのものの条件だけを整えればよいとは限りません。

一人暮らしの場合などには、賃貸契約の際に緊急連絡先について確認されることがあります。

誰にお願いできるのか、家族以外に選択肢はあるのかなどを事前に整理しておくことで、住まい探しを進めやすくなる場合があります。

緊急連絡先の役割や考え方については、「緊急連絡先の重要性」で詳しく解説しています。

一度断られても「すべての物件がダメ」とは限りません

住まい探しをしていると、問い合わせの段階で難しいと言われたり、申込み後の入居審査で希望どおりの結果にならなかったりすることもあります。

そうした経験が続けば、「もう借りられる物件はないのでは」と感じてしまうかもしれません。

しかし、一つの物件で難しい結果になったことと、今後すべての賃貸住宅で入居できないことは別です。

物件ごとに条件や判断は異なるため、家賃やエリア、契約方法、保証、緊急連絡先などを整理し直しながら、次の候補を探していく必要があります。

高齢者の住まい探しでは、「たくさんの物件から選ぶ」ことよりも、「相談できる物件の中から、自分に合った住まいを見つける」ことへ考え方を切り替えることも大切です。

早めに探し始めることも大切です

高齢者の住み替えでは、「〇月までに現在の家を出なければならない」という期限が決まってから相談されるケースもあります。

しかし、候補となる物件が限られることを考えると、時間に余裕があるほど条件を整理したり、物件を待ったりできる可能性が広がります。

まだ引っ越しを決めていなくても、「今の家の階段がつらくなってきた」「建て替えの話がある」「将来一人暮らしになるかもしれない」と感じ始めた段階で、家賃や希望地域を考えておくことは無駄ではありません。

シニアライフパートナーでは、高齢者ご本人だけでなく、ご家族や支援者からの住まい探しの相談も受け付け、物件探しから契約、入居前後までの支援を行っています。

まとめ

高齢者の賃貸探しでは、インターネットにたくさんの物件が掲載されていても、実際に相談できる物件へ絞ると選択肢が少なくなることがあります。

だからこそ、「選べない」と悲観するのではなく、家賃、エリア、間取り、設備などの希望に優先順位をつけ、保証や緊急連絡先なども含めて準備しておくことが大切です。

住まい探しに時間がかかる場合もあります。できるだけ余裕を持って動き始め、一つの物件の結果だけで判断せず、条件を整理しながら次の選択肢を探していきましょう。

高齢者の住まい探しで選択肢が見つからないときは

「問い合わせても高齢ということで話が進まない」

「条件をかなり広げたのに物件が見つからない」

「親の住まいを探しているけれど、何を優先すればよいか分からない」

そんなときは、物件を探し続けるだけでなく、一度現在の条件を整理してみることも大切です。

シニアライフパートナーでは、東京都を中心に、高齢者ご本人やご家族、支援者の方と一緒に、希望条件と実際の選択肢を整理しながら住まい探しを進めています。

「まだ引っ越すか決めていない」という段階でも、これからの住まいについて気になることがあればご相談ください。