「実家の階段が急で、転びそうになった」「建物が古く、地震や雨漏りが心配」「一人暮らしを続けてもらうのが不安になってきた」――高齢の親の住まいを見て、「今の家は危ないのでは」と感じることがあります。
このとき大切なのは、いきなり賃貸物件を探し始めることではありません。まず**「何が危ないのか」「いつまでに住み替える必要があるのか」「親御さまはどう暮らしたいのか」**を整理することです。
危険の内容と緊急度が分かれば、次の住まいに必要な条件や、誰に相談すればよいのかも見えやすくなります。
最初に「危ない理由」を具体的に整理する
「危ない」と感じる理由は家庭によって違います。
たとえば、急な階段や大きな段差、浴室での転倒への不安、建物の老朽化、買い物や通院の負担、広い家の管理が難しくなったことなどです。
まずは親御さまと一緒に、現在の生活で困っていることを書き出してみましょう。
「階段がつらい」のであれば1階やエレベーター付き、「通院が大変」なら病院やバス停に近い場所というように、今の家で困っていることが、次の住まいを選ぶ条件になります。
ただし、家族が危険だと感じても、長年暮らしてきた家を離れることに親御さまが抵抗を感じる場合もあります。
「もう危ないから引っ越そう」と結論から話すより、「最近、階段は大変じゃない?」「これからどんな暮らしがしたい?」と話し始めることが大切です。
住み替えを考え始めるサインについては、親が一人暮らし……子どもが賃貸への住み替えを考えるタイミングでも詳しく整理しています。

緊急度によって、先にすることが変わります
住み替えまで数か月の余裕がある場合と、「建物の取り壊しが決まった」「今の生活を続けることが難しくなった」など期限が迫っている場合では、進め方も変わります。
まず確認したいのは、退去期限、現在の建物の状態、親御さまが今の家で生活を続けられる期間です。
転倒や建物の不具合など、今すぐの安全に関わる心配がある場合は、賃貸探しだけにこだわらず、ご家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、自治体などにも相談し、一時的な居場所を含めて安全を優先して考える必要があります。
反対に少し時間があるなら、その時間を使って家賃や地域、必要な設備を整理しておく方が、慌てて条件に合わない住まいを決めることを避けやすくなります。
賃貸への住み替えでは「希望」と「現実」の両方を確認する
高齢者の部屋探しでは、「1階がいい」「駅に近い」「今の地域を離れたくない」といった希望だけでなく、家賃、年齢、収入、保証会社、緊急連絡先、物件ごとの入居条件なども確認することになります。
住まい探しを始める前に、
・無理なく支払える家賃
・希望エリアと広げられる範囲
・1階、エレベーターなど必要な設備
・通院や買い物に必要な生活環境
・親族など緊急時に連絡できる人
を整理しておくと進めやすくなります。
特に緊急連絡先は、賃貸住宅への申込み時に確認される場合があります。誰にお願いすればよいか迷っている方は、高齢者の住まい探しで大切になる緊急連絡先についても早めに確認しておくとよいでしょう。

家族だけで全部抱え込まなくても大丈夫です
高齢の親の住み替えでは、子ども世代が物件検索、内見、書類準備、引越しまで一人で抱えてしまうことがあります。
しかし、高齢者の住まい探しでは、親御さまの希望と賃貸住宅側の条件を確認しながら進める必要があるため、時間が限られているほど負担も大きくなりがちです。
実際の住まい探しでは、希望条件が広くても物件がすぐに決まるとは限りません。
シニアライフパートナーの住まい探しのご相談事例①でも、退去までの時間が限られる中で一度審査が難しい結果となり、その後、ご家族の協力を得ながら契約方法を再検討して住まいが決まったケースをご紹介しています。
だからこそ、「危なくなってから急いで探す」のではなく、少しでも住み替えの可能性を感じた段階から準備しておくことが大切です。

まだ住み替えを決めていなくても準備はできます
「まだ物件を探し始める段階ではない」「親本人と住み替えの話がまとまっていない」という時点でも、何を準備すればよいのか整理することはできます。
高齢者の住まい探しでは、物件紹介だけではなく、保証会社や緊急連絡先、契約、入居前後の生活など、複数のことを一緒に考える場合があります。
シニアライフパートナーとは?では、高齢者ご本人だけでなく、ご家族や支援者からの相談、物件探しから契約、必要に応じた入居前後の支援について紹介しています。
まとめ
「今の家が危ない」と感じたときは、すぐに物件検索を始める前に、まず危険の内容と緊急度を整理することから始めましょう。
そのうえで、親御さまの希望、家賃、地域、必要な設備、家族ができる支援などを一つずつ確認していくことが大切です。
高齢者の住み替えは、急いだからといって必ず早く決まるものではありません。だからこそ、危険が大きくなる前、退去期限が迫る前の段階から準備を始めることが、選択肢を考える時間につながります。
「今の家に住み続けてよいのか迷っている」
「親の住み替えを考えたいけれど、何から始めればよいか分からない」
「退去期限が決まっているので、早めに賃貸住宅を探したい」
そんな場合は、まず現在の住まいで困っていることから整理してみてください。
シニアライフパートナーでは、高齢者ご本人だけでなく、高齢の親御さまの住まいを探しているご家族からのご相談にも対応しています。まだ住み替えが決まっていない段階でも、これからの住まいについて一緒に考えることができます。
