「家賃はできるだけ抑えたいけれど、今の地域から離れたくない」

「階段のない物件が希望だけれど、なかなか見つからない」

高齢者の部屋探しでは、希望する条件に合う賃貸住宅が見つからず、どこを妥協すればよいのか悩むことがあります。

特に高齢者の場合、家賃や間取りが希望に合っていても、年齢や収入、保証会社、緊急連絡先などの条件によって、入居について相談できる物件が限られることがあります。

だからといって、最初から希望を諦める必要はありません。

大切なのは、「これからの生活に欠かせない条件」と「少し変更しても困らない条件」を分けて考えることです。

今回は、高齢者の住まい探しで希望条件を整理する具体的な方法をご紹介します。

まずは希望する条件をすべて書き出してみる

部屋探しを始めるときは、家賃、エリア、間取り、設備など、希望する条件を一度書き出してみましょう。

例えば、次のような項目です。

  • 家賃・管理費を含めた毎月の予算
  • 希望する地域や最寄り駅
  • 階数やエレベーターの有無
  • 最低限必要な間取りや室内の広さ
  • 浴室・トイレなどの設備
  • 通院先や買い物施設までの距離

「多少狭くなってもよいから杉並区からは出たくない」「駅からは離れていたとしてもバス停が近ければ良い」など、まずは何を大切にしたいのかを整理します。

そのうえで、それぞれの条件が必要な理由を考えてみましょう。

「譲れない条件」は生活への影響で判断する

譲れない条件とは、変更すると日常生活に大きな支障が出る条件です。

例えば、足腰に不安があり階段の上り下りが難しい方にとって、エレベーターのない建物の上階は、生活を続けるうえで負担になる可能性があります。

また、通院が必要な医療機関があるようであれば、ある程度の通いやすさなども重要です。

年金収入を中心に生活している場合は、将来も支払い続けられる家賃であることも大切な条件になります。

ただし、何が譲れないかは人によって異なります。

一人暮らしでも広さが必要な方もいれば、自炊は必ずしたいため、2口ガスコンロが使用できることを最優先にする方もいます。

一般的に人気のある条件ではなく、ご本人が無理なく暮らし続けるために必要な条件を優先順位をついえて整理しましょう。

「譲れる条件」は希望の理由から考える

一方、少し変更しても生活に大きな影響がない条件は、見直しの候補になります。

例えば、「2K以上」を希望していても、その理由が家具や荷物を置くためであれば、広めの1Kや1DKでも対応できるかもしれません。

「駅から徒歩10分以内」という条件も、多少駅から離れていたとしても、近くにスーパーやドラッグストアがある、バス停が近いため、駅まではバスを使用して出れるなど、柔軟にエリアを広げていただくことで、シニア相談可能な物件の分母も必然と増えていきます。

希望する駅を隣駅まで広げるなど、生活圏を大きく変えずに候補を増やす方法については、高齢者の住まい探しでエリアを広げると選択肢はどれくらい変わる?でも紹介しています。

3つに分けると条件を整理しやすい

希望条件をすべて「必要」「不要」の二択で判断するのは難しいものです。

そこで、おすすめしたいのが次の3つに分ける方法です。

優先度考え方具体例
A:譲れない生活に支障が出るため変更できない家賃上限、階段の負担、ガス2口コンロ
B:できれば希望少し変更できる可能性がある駅徒歩分数、築年数、間取り
C:あればうれしいなくても生活できる独立洗面台、広い収納、南向き

これはあくまで一例です。同じ条件でも、本人の生活状況によって優先度は変わります。

また、最初に決めた優先順位を最後まで変えてはいけないわけではありません。

実際の物件を見ながら、「思ったより広くなくても生活は出来そう」「この地域なら駅から少し離れても大丈夫」と気づくこともあります。

実際の住まい探しでも、条件の整理が役立ったケース

シニアライフパートナーへご相談いただいた70代女性のケースでは、当初「家賃10万円以内・2K以上」という希望がありました。

しかし、今後の生活を考えて家賃を8万円程度に抑え、間取りも2Kに限定せず、不要な荷物は整理をして、必要な家具を置ける広さを優先することにしました。

さらに、希望していた沿線・駅が限定的で、全く候補物件がなかったため、物件分母を増やすため、若干賃料相場がお安くなる西武新宿線まで範囲を広げています。

最終的には、杉並区内で家賃7万円・開放的な12帖の1Kへの住み替えにつながりました。

「広さは必要」という大切な希望を残しながら、間取りの種類や沿線を変更した事例です。

詳しい経緯は、70代女性が希望条件を整理して住まいを見つけた相談事例で紹介しています。

譲ってはいけない条件もある

候補が少ないからといって、生活に必要な条件まで無理に外すことはおすすめできません。

例えば、車いすを利用する方の場合、建物の入口や室内の段差は重要な確認事項です。

実際に、車いすを利用するお父様とご家族の住み替えでは、段差の少ない住環境を大切にしながら、荻窪駅からバスを利用する物件も候補に含めて探しました。

その結果、エレベーター付きの2LDKマンションへの住み替えにつながっています。

車いすのお父様とご家族の住まい探しの相談事例は、必要な条件を守りながら住まいを探した一例です。

条件を整理しても、入居できるとは限らない

高齢者の賃貸住宅探しでは、希望条件に合う物件が見つかっても、必ず入居できるわけではありません。

「高齢者入居についてご相談に応じます」と事前確認を行い、ご内覧後に入居申込みをしても、保証会社の審査は通過しても、結果的にご年齢や何かあった際の緊急連絡先の方がお近くにいるかなどがネックになり、オーナーの承諾が取れずに非承認となるケースは非常に多くございます。

「ご相談可能物件」「内覧が出来た」=契約が出来る訳ではなく、そこでお申込みをした場合、ようやくスタート地点に立つというイメージです。

スタート地点に数多く立つために、住まい探しの希望条件の優先順位をしっかり整理し、少しでもご相談可能な物件を増やすことを考えましょう。

まとめ

高齢者の部屋探しでは、希望する条件をすべて満たす賃貸住宅が見つかるとは限りません。

しかし、条件を減らすことだけが解決方法ではありません。

まずは希望をすべて書き出し、「譲れない条件」「できれば希望する条件」「あればうれしい条件」に分けてみましょう。

そのうえで、実際に入居について相談できる物件を確認しながら、必要に応じて優先順位を見直すことが大切です。

住まい探しの目的は、条件のよい物件を見つけることだけではなく、これからも安心して暮らせる住まいを見つけることです。

「希望条件をどこまで変えればよいのか分からない」

「条件を緩和しても、高齢という理由で入居を断られてしまう」

そのような場合は、住まい探しの進め方からご相談ください。

シニアライフパートナーでは、高齢者ご本人やご家族の希望を伺い、譲れない条件を整理しながら、入居について相談できる賃貸住宅をお探ししています。

すぐに希望に合う物件が見つかるとは限りませんが、これからの生活で何を大切にしたいのか、一緒に考えていきましょう。